当社では新入社員教育には時間を掛けて丁寧且つ親切に行う事を周知徹底しております。教育はOJTを基本としていますが、当然の如く、個人の能力の差はあれども一度で覚えられる事はなかなかありません。先輩社員に同じ事を何度も繰り返し聞くという行為は日常茶飯事です。そして、一番大事な事はその時の先輩社員の応対の仕方だという事も教育しております。それは、その対応如何で新入社員の会社に対するイメージが出来上がってしまうからです。
さて、当社には20代前半の男性ベトナム人の派遣社員の方が数名在籍しているのですが、彼らには常々感心させられる事があります。それは挨拶の仕方です。出勤時、退社時には必ず立ち止まり、お辞儀をしながら挨拶を致します。教育の賜物であると感服させられます。先週、1年前に入社されたベトナム人の派遣社員が本人の事情により退社されました。退社時には彼なりの精一杯の日本語で「1年間お世話になりました。皆さんにはとても親切にして頂いてとてもうれしかったです。本当に有難う御座いました。この会社で働かせて頂いた事を大変感謝しております」という内容ではないかと推測されますが、この様な事を言って最後の挨拶を交わしました。言葉は良く理解はできなかったものの、一生懸命に説明しようとするその姿からは本当に感謝している気持ちが伝わってきました。その言葉を聞き、少し感傷的になってしまいましたが、社員教育の方法は間違ってなかった事を再認識するとともに、今の日本人が失いかけている礼儀、純粋な気持ち、感謝の心を改めて外国人である彼から感じさせられました。
その後、彼は他の上司や同僚の何人かに挨拶をして帰宅の途につきました。定期的に全額会社負担で慰労会を開催するのですが、前回参加した彼は宴席では真っ赤な顔になり、楽しそうに話をしていていた姿が今は良い思い出となっております。